Colégio Itatiaia での様子を、写真日記でお伝えします。
子どもたちの笑顔から、いっぱい元気をもらってください!
これからどんどん、増えていく予定です。乞うご期待!

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2020/10/31

お母さん、コーヒー飲んでいらっしゃいませんか?


こんにちは。
イタチアイア幼稚園日本語部コーディネーターの智子です。



さて、今月は少しいつもと感じを変えて
お話形式で、進めてみようと思いつきました。




上の写真は朝、私が家族の方達を園の前で
お迎えしているところです。

保護者の方や、こども達が
元気に登園して下さっているか
挨拶や、簡単な声がけで
一番よくわかる時間ですよね。

現在は、感染予防のため、
少し形式は違っていますが
私はこども達が元気に登園してくれているか
いつも気にかけています。


コロナ以前は、
できるだけ、お見送り、お迎えの時間に
お母様たちとコミュニケーションが取れるよう
コーディネータールームから
出るようにしていました。

私の声がけの中に
「コーヒーでも飲んで行きませんか?」
というフレーズがあって、

これは、外国からいらっしゃるお母様たちが
(たまにお父様もいらっしゃっていましたよ。)
安心してサンパウロで生活、
子育てをしていただくために
普段の生活の中で感じている
些細なことを、気軽に話すことで
解決できればという、

私が大切だと思っている
仕事のやり方のひとつです。



幼稚園の中で、
こども達は実に生き生きと生活していますが
その背景には、
にこやかに笑顔でお見送りしてくれる
ママやパパの存在があってのこと。というのは
言うまでもありません。

が、
私達は人間ですから
大人であれ、親であれ
時にはこども達に笑顔で接することが
難しいこともありますよね。
私だって同じです。

しかも、日本から遠く離れた所に
ご家族だけでやってきて、
日本でなら一人でできることでも

ポルトガル語や、習慣の違いで
日本にいるときと同じように対応できない時も
きっとあるだろうと思います。


それが続くと
自己嫌悪に陥ったりすることも
あるかもしれませんね。
私だってありますよ。
 
日本でなら私、一人でできるのに。って
思いませんか?

そういう気配をママから感じた時
そっとお母さんの近くに行って
コーヒーでもいかがですか?って
声をかけました。

私の悲しみを見せることはできないけれど
お母さん達の外国生活での小さな、
でも
ママにとっては
大きな悩み事や心配事を
いつも
取り除いてあげたかった。
 



こども達も、辛いとき
幼稚園で私の所にやって来て
ぽつり、ぽつりと日本語でお話したり、
泣いてみたり
かんしゃくを起こすことだってあります。

でも、それはとっても大切なことですよね。

私達は、それを聞き、お話をして
こども達の辛かった気持ちを和らげます。

そうして
こども達は元気に、強く、優しく
育っていくのです。

困ったときは
誰かに言えばいいんだ。ということを
学んでいるのですよね。

そういう学びを
保護者の皆さんは、望みませんか?

私はそんな気持ちを
先生達にいつも細かく伝えます。
こどものことも、
お母さんたちの気持ちも。

外国での生活、教育は
そんなに簡単ではないです。
誰かがきちんと繊細な心の内を感じて
サポートしていないと限界はあります。

教育理念だけを
きれいに話すのは簡単ですが
それを幼稚園の中で実現させること
日本にいるのと同じレベルでの
心と体の成長を育むのは
簡単ではありません。

私は
真の教育者として
その部分だけはしっかり
守ってあげたいのです。

自分の教育体験を全て駆使して、
自分のこどもに学んでほしかったことを
生徒達に全力で伝えたくて。




私は、こども達が豊かに育っていくために
直接こどもたちと関わっている先生への指導も、
とても大切だと思っています。

上の写真は、先生の授業計画、報告ノートです。
本当に細かく見ていきます。
たまに、掲示板も使って
気づきの場にしたりもします。

先生の成長もまた
時間をかけて
丁寧に育みたいと
常に思っています。

正しく豊富な知識と、思いやりと愛情を持って
先生達とともに学び、
でも、しっかりと影で見守ってあげたいと。
泣きたくなるときもあるけれど
がんばっています。



幸せで安定した心の先生を育てれば
一緒に学ぶこども達も
幸せそうに笑います。

年中、年長クラス担任の
教育指導や授業案はさらに細かく見て、
授業もそっと、
でも、かなり真剣に観察しています。

小学校へあがる時期が近づくこども達のクラスは
かなり慎重に成長を見る力が必要です。
教育者の日本語力が
大きくこどもの成長を左右するからです。


小学生へ教えた経験があるので
この時期に何をしないといけないかを
かなりこと細かく説明します。

まだ経験の浅い先生であれば
いつもそばで見守り
後でしっかりと
フィードバックします。

ここの教育だけでは日本に戻ったとき
足りないものがあることも、
もちろんあります。

それをわかっている私が、ブラジルの先生に
伝えなければいけないことは
私の使命のように思っています。

正しい日本語、美しい日本語、
やさしい身振り
日本人らしく考え行動しなければ
いけないことがあることも
先生や上司に理解してもらうためのお話を
何度もしてきました。


私が受けた日本の教育の良いところと
伝えて行きたいところを

愛情を持って
先生達に伝え、サポートし
成長を願っています。

幸せを受け幸せに育つこども達。


その幸せは、
自分を信じる力に繋がり
本物の人間愛を育みます。

それを、
仲間達へ分け与えることができるのです。



それを学んだこども達は
私達を変えます。

ひとりのこどもが
クラスのこども達が
幼稚園のこども達が
幼稚園の仲間達に、家族に、
影響を与えていきます。




こども達の
その小さなサインを見逃さないよう
私は幼稚園の中で
しっかり見守っています。



そのこども達を支えるのは
保護者の皆さんでもありますから、私は
お母様やお父様達も
安定した心でこども達を育んでもらいたいと、
常に願っています。

だから、

「コーヒーでも?」って
声をかけていました。

外国で、サンパウロで、
困ったことがあったら、
自分でがんばれない時があれば、
話してみてください。
心配事が減って、気が楽になり、
その日、こどもさんを幼稚園から
笑顔でお迎えすることができると思います。

少しでも、そのお手伝いができればと
いつも、ここで待っていますから。

日本人で
日本から外国にやってきて
不便なこと
辛いこと
泣きたくなること
全てママと同じ気持ちで
感じてきた私が
お手伝いできることがあれば

こども達のためなら
全てが
私の仕事だと思っています。



でも、逆に
お母様やお父様達から
助けていただいているときも
沢山あります。

そんな家族の皆様にいつも支えられて
私も成長することができます。

皆さん、
本当にありがとう。

智子